不安と展望

インプラントでないと取り戻せないものがある

それはいったい何でしょうか?

ひとつには前項で示した右の図のような、垂直的なしっかりした重心の支えです。
基本的に、インプラントは力学的には歯と同じ、あるいは歯以上に丈夫といえます。力学的に正しい設計とかみ合わせで、定期的なメンテナンスを欠かさなければ、ほぼ半永久的といってもいい安定性があります。
これはブリッジや入れ歯では決して得られないインプラントの特徴です。
また、となりの歯にノータッチで治療しますので、意外なことに、周囲の歯を守る役目もとても大きいのです。
周囲の歯は、インプラントが頑張ってくれるおかげで安心です。もう今までのように許容範囲を超えるような力に耐える必要がないのです。
前項でも説明しましたように、これが、あなたのお口の中の "強靭化" のカギでもあります。

しかし、インプラントでないと取り戻せない、もっと大切なものがあります。

それは、その人の失った人生です。

たしかに治療に保険が利くのは結構なことですが、日本の場合は保険が利き過ぎたせいで、自分の歯を抜いて入れ歯にすることに、歯科医院側も患者さん側も、あまりに安易でした。
そのせいで、何年も、何十年も前に、思った以上に大事なものを置き忘れてきたままになってしまったのです。

しっかりかめるということは、歯が全部そろっている人にはあまり気にならないことかもしれません。
しかし、歯を失ってしまった人にとっては、決して取り戻すことのできない「青春」だったのかもしれません。

実際に体験して

当歯科室でインプラント治療を終了された患者様のうちご協力を得られた方からは、アンケート形式の体験談をいただいております。そのうち、ご掲載許可をいただいた方につきましては、【院内新聞「種」】(クリック)の2011年秋号以降にて「種」の巻末に掲載させていただいております。
ぜひご参考にしてください。

ところで、「入れ歯の恐怖」でご紹介した方々の、その後はいかがだったでしょうか?

[入れてみて、愕然としました〜]
(U様 女性)

インプラントはとても痛そうなイメージでしたが、麻酔をするので最中は痛くないですよという話でした。
また、他の人の話とか、多くの写真やレントゲン写真を見せてもらい、安心したので、一大決心をしてやることにしました。
最初に歯科衛生士さんが付いて歯ブラシの練習と歯石を取ったりしました。
けっこう回数がかかりましたが、前の歯医者で取ってもらった時よりもたくさん取れてびっくりしました。
インプラントは歯周病には弱いのでしっかり予防することが大事だと教わり、なるほどと思いました。
今までの歯医者ではあまりそういうことを教えてもらったことがなく、歯石も最後に全体的に取って終わりでした。
つくづく歯周病は怖いと思いました。
手術当日は、先生たちがすごい手術着を着て出て来たのでとても緊張しましたが、思ったよりもかなり早く終わったので良かったです。
痛みも翌日にはほとんどありませんでした。
初めて仮歯が入ったときは、何だかゴチンゴチンして変な感じが少ししましたが、すぐに慣れました。昔はここに歯があった場所だからでしょう。
食事のときも何でも早くかめるので食事のスピードもかなり早くなりました。
今となっては何でもおいしく食べられることがとてもありがたいことだとよく分かりました。
入れ歯のように食べかすが詰まったり、つけたり外したりしなくていいのでわずらわしくない事が大変便利ですね。
最初はインプラントは保険もきかないし高いので自分には関係ない話だと思っていたのですが、こんなに日常生活が変わるならやって正解だったと思っています。
根本先生、衛生士さんをはじめ従業員の皆様、今後ともよろしくお願いいたします。

[コメント] 入れ歯は思ったよりも不便なものです。なってみて初めて懲りる方も多いのですが、この方がおっしゃった「入れ歯を卒業してみて初めて今までの不便さを実感した」という言葉が非常に印象的でした。

[至頭、6〜7年程前に入れ歯を使用する羽目に〜]
(M様 男性)

院長からは、聞きたかった入れ歯の効用や性能の限界、治療技術の変遷、インプラント治療等の親切な説明を受けました。
インプラント治療については、若干の知識はありましたが、先入観として「痛そう」という肉体的恐怖感と「信頼できる技術をもった歯科医師は大学病院等にしかいない」という精神的不信感を持っていたためか、特定の人たちの為の治療法方で、一般の人たちが安心してインプラント治療を受けるのは時期尚早ではとの思いを持っていました。 しかし、根本院長の説明とその後拝見した根本歯科室のホームページからは、インプラント治療の安全性や普及度はもちろんのこと、根本院長の豊富な知識と技術力それにも増して真摯な人柄を窺(うかが)い知ることができたため、不自由な入れ歯に悩んでいた私はインプラント治療をお願いする事に決めました。
現在、私はまだインプラント治療の途中段階で、土台は装着済みですが歯の方はまだ仮歯の状態です。しかし、今の状態でも食事の度に入れ歯を外し掃除が必要だった手間とそのコンプレックス感はすでに解消され、入れ歯では味わえなかった心地よさを体験しています。余談ですが、歯軋りも戻ってきました。(これはいい事ではないかもしれませんが)
入れ歯で不自由を感じていらっしゃる方、是非一度、根本院長に相談されては如何ですか。
歯の治療で悩んでいらっしゃる方のために、一筆啓上致しました。

[コメント] ここまで過分なご評価を頂戴し、おもはゆい限りです。いっぽう、この文章には昭和の悪しき治療中心主義が集約されている、といってもいいでしょう。このような時代を生きられた方には心から同情いたします。 実際M様はかむ力が強く、残りの歯が大変危険な状態でもありました。適切な時期に介入できたことでよりよい結果につながり、従業員一同、大変安堵しております。